四柱推命

占いと学問と宗教(1)

今回は、「占いは学問なのか」そして鑑定内容が異なる要因のひとつとなっている「宗教」や「哲学」について書いていきたいと思います。

占いは統計学なのか?

「占いは学問です」

「一般的な占いと四柱推命は違う」

「四柱推命は統計学です」

と言われることがありますが、結論から言うと「占いは占い」であって学問でも統計学でもありません。

私も最初は「学問」とか「統計学」と学んだのでそう思っていたのですが、「学問」や「統計学」について調べてみると「占い」はその中に入れてもらえていません。

というのも、四柱推命は流派により命式の算出方法が違います。そうなってくると鑑定結果も違ってしまうので、現在の「学問」や「統計学」の定義には当てはめることができないのです。

流派により技法は様々

夜子時問題や時差問題、また格局、神殺、蔵干、身強身弱の考え方など、理由も違えば扱い方も違います。命式が異なる、ということは性格や適職についても伝える内容が違うわけです。

また、占いは統計を取ろうにもどうなっていれば正解とするのかが曖昧です。

いくつかの本を読んでみても、「占いは統計学だ」と言いつつ、その先生独自の解釈や新しい技法が使われていたりして変化させていたりします。その先生の統計上、という感じです。

占いが学問だった時代

科学が発展する以前、(1〜2世紀前)までは四柱推命も風水も西洋占星術も(その他様々な占いが)「学問のひとつ」として考えられていました。でも現在は「占いは占い」になっています。

どちらにしろ、占いについて「学問」や「統計学」と言っている人はその定義について無知だからそう言っているのか、または現在の定義とは違う独自の見解で言っているのか、はたまた消費者心理を利用して言っているのかは、その人に聞いてみないとわかりません。

ただ、「学問です」とか「統計学です」と言われてしまうと、それが正解のように聞こえてしまいます。「人生は占い通りになるんだ」と勘違いしてしまいやすいですね。

占いはアーティスティックな活動とも言える

それは置いておいて、現在の鑑定における幅広い解釈について考えてみると、占いは「アート(芸術)」だな、と個人的には思います。

占い雑誌では様々な先生がそれぞれの「占い」を使って運勢について書かれていますが、ひとつとして同じ「言葉」、「表現」はなく、それはまさしくアートのようだ、と感じませんか?

一人一人の解釈や表現が違うからこそ、占いを楽しめているのではないでしょうか。

鑑定内容が先生により違う理由

また、運命や人生に関する考え方も先生により異なります。これはその先生の「宗教観」が強く反映されているように思います。

この点も、鑑定内容が異なる一因となっていて、さらに深い「占い迷路」へと誘っているかのようです。

例えば、前世や、運命、魂の話など先生によって言っていることは様々です。

仏教は輪廻転生(りんねてんしょう)の考え方がありますが日本独自の宗教である神道(しんとう)に輪廻はありません。

また「神様」と言っても、ユダヤ教、キリスト教、イスラム教の人であれば同じ「神様」ですが神道やヒンドゥー教の場合は多神教ですので、「どの神様の話ですか?」ということになります。

また、魂の話はデカルトの「二元論」やプラトンの「魂の三分説」からきているのかもしれませんが、現在の科学では心と体は一体と考えられています。

混在が矛盾を生んでいる

このように、宗教や哲学について知ってみるとその先生がどういった「教え」や「考え方」を採用しているかがわかるのですが、ほとんどの場合、様々な宗教や哲学が混じった「自分流思想」であることが多いです。

これは、正月や七五三に神社を訪れ、人が亡くなると仏教式、ハロウィンやクリスマスも盛り上がる、様々な文化を寛容に受け入れてきた日本人だからこそ、かもしれません。

そのため、お客様側も様々な宗教の教えがごっちゃになってしまったまま相談される方も少なくありません。

私は神社参拝もお墓参りも熱心な方ですし、仏教系の保育園に通っていたこともあり宗教に関して理解もありますが、脳科学やゲノム研究などから回答を探すことも多く、どちらかと言うと科学寄りです。

科学が発展するとどうしても占いや宗教には矛盾が生じてしまうんですよね。

何も知らないうちはそれしか知らないので矛盾にも気が付きませんし、書かれていることをそのまま信じてしまうことも多いかと思います。

けれど、様々なことを学んでいくとどんどん矛盾に気付いてしまって、、、そうなると何がなんだかわからなくなってくる訳です。

そんな感じで「実際のところどうなの?」と思っている人に「占いはそういうものです」みたいな曖昧な回答ではなくて、様々な情報を元に少しでもスッキリしてもらえれば、とこのような記事を書いていたりします。

ということで、次回は宗教や哲学について書いていきます。

ちなみに、わたしの占いのスタンスは「信じるものではなく使うもの」です。

占いと学問と宗教(2)前回は、「占いは学問なのか」、またその先生が採用している「宗教」や「哲学」の考え方で鑑定内容や語られることは違いますよ、ということについ...