四柱推命

占いと学問と宗教(3)

せっかく、四柱推命を知って自分の可能性に気付いて勇気になったのに四柱推命にハマればハマるほど今度は逆に占いに振り回されている人を見て「楽しく使ってもらえたらいいのになー」と感じ書き始めたのがこのシリーズです。

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占いと学問と宗教(2)前回は、「占いは学問なのか」、またその先生が採用している「宗教」や「哲学」の考え方で鑑定内容や語られることは違いますよ、ということについ...

奴隷や制度から逃れるために自由を求めてきた人間たちは、逆に自由になればなるほど「何をすればいいのか」苦しんでしまう生き物のようです。

生きる意味とか使命とか運命とか決まっていれば考えずに済み、何しろ、安心しますね。けれど、決まっていないと自分で考えなければいけないのでそれがツラさを生みます。

紀元前5世紀頃

古代インドのルンビニーで釈迦族の王の息子ゴータマ・シッダールタが生まれました。生後7日目に実母が亡くなり、妹に育てられ16歳で結婚。

何不自由なく過ごしていましたが、29歳の時に「なぜ人は生きるのか」と考え始め出家することを決意しました。

彼は後のブッダ(意味:真理に目覚めた人)です。「お釈迦様」といった方がわかりやすいでしょうか。

死後の世界について

占いをやっていると「スピリチュアルな人(霊魂について語る人)」によく出会います。

彼らは、天使や、神様、カルマ(業:行いのこと)、前世、魂、死後の世界などの話をしてくれます。

ですが、様々な宗教の教えが混在していて本人もあまり理解していなかったりします。様々な人の教えに触れるあまり、情報量が多すぎて整理できていないのかもしれません。

私も混乱したので、自分で調べました。まず、死後の世界について整理してみます。

輪廻転生

死んでも再び別の人間や生き物に生まれ変わりいつまでも繰り返すことを「輪廻転生(りんねてんしょう)」と言います。

この考え方は、古代インドのバラモン教から発展したと考えられています。

「輪廻」の考え方は5大宗教では仏教・ヒンドゥー教にあります。

ユダヤ教やキリスト教、イスラム教には「生まれ変わる」という概念はありません。

神様を信じて善い行いをしていれば天国へ帰れる、という考え方です。

また、日本の神道にも「生まれ変わる」という概念はなく死後は神様に戻ると考えられています。

魂は神様の分霊で、肉体がその器であるから亡くなった後は魂が神の世界へ戻る、と考える訳です。ですから、亡くなった時に「他界した」(別の世界へ行った)と言うんです。

ということは、「前世の話」は仏教やヒンドゥー教の考え方のようですね。

前世が天使や神様の遣いだったと仰る方はユダヤ教、キリスト教、イスラム教、神道の考え方に当てはまるかなと思います。

インドネシアでは、宗教を持つことが義務付けられていて住民登録には自分の宗教の記載があります。

教えを信じることでこの世で何をすべきかが明確になり(何をすれば天国へ行けるかがわかるので)安心して暮らせるようです。宗教は「心の拠り所」になる訳ですね。

解脱(げだつ)とは

仏教の輪廻転生では、死後に迎える「六道」というものがあります。

・天道

・人間道

・修羅道

・畜生道

・飢餓道

・地獄道

死後の世界は現世での行いによって決まると考えられています。

つまり現在の人生は前世の自分の行い(カルマ)によって決まっている、という考え方です。

「来世は○○として生まれ変わりたい!」なんて思い描いたりすることがあるかと思いますが仏教では、「生きていること自体が苦しみ」と考えられているので、輪廻から脱出し悟りを開くことを目指します。

それを「解脱(げだつ)」と言います。

この世の迷いや苦しみは「煩悩(ぼんのう)」(汚れとか欲望)であるからその煩悩を一つ一つ無くしていき、輪廻から脱出して極楽浄土へ行きましょう、ということです。

「私は何のために生まれてきたのか」「私の使命は一体何なのか」「人が生きている意味は何なのか」「なぜ私の人生はこうなのか」と考えたり悩んだりするこの世は苦しいと。

そして、その悩みは欲望によるものだからその欲望を無くす修行をしましょう。ということですね。

「頑張る世界」は苦しい

日本では「努力は報われる」などの言葉がよく使われますが成功するには「頑張る必要がある」という考えが一般的です。

「無理な仕事を頼まれても日本人は”頑張ります”と言って引き受けてしまう。自分のパフォーマンスが会社の利益に繋がるのだから会社のためにも頑張らない方が良い」

と書かれている本を読んだことがあります。

自分を高めるために努力することは大切だと私も思います。けれど、そこに「成功することが善」「お金持ちが勝ち組」「お金が生活を豊かにしてくれる」みたいな考え方が入ってしまうと途端、苦しみが生まれます。

成功も生活の豊かさも全て誰かと比べていますからね。

だから、「欲望が苦しみを生む」という考えはすごく理解できます。

誰かや何かと比べた幸せではなく、自分の幸せを追求することが大事ではないかと思います。

よくよく幸せについて考えてみるとほとんどの人は家族や大切な人が幸せであることが一番の幸せなのではないかと思うんですね。

ある活動家が

「世界平和だ!とかみんなの幸せが俺の幸せだ!とか言って日本各地飛び回ってたんだけどさ、母ちゃんが倒れた時にわかったんだよ。母ちゃんが幸せじゃなきゃ、世界平和でもなんでもねぇな、って。だから、母ちゃんと毎日楽しく過ごすことが俺の活動になったんだよ」

と言っていたんですけど、幸せってそういうことなんじゃないかなと思います。

高級品を買っても、いっときの高揚感は得られるかもしれませんがそれが「幸せ」と結びつくわけではありません。

ある程度のお金は必要ですが、「本当の自分の幸せ」を考えた時、そんなに大きな金額のお金は要らなかったりします。

「必要以上に頑張らなくていい。できることをできる限りやる。」でいいんじゃないかと。

私はこれまで、物販で起業し、物販の方法を伝え、その後は占いについて、と発信をし続けてきましたが

「物販が好きなら物販をすればいい、情報発信をしたいならすればいい、占いが好きなら学べばいい、だけどそうじゃないならやらない方がいい」

と伝えてきました。

成功のためにやりたいと思えないことを続けることに何の意味があるのかと思うからです。

成功はランダム

「成功こそが幸せ」という考え方を採用すると成功者になろうと努力すると思います。

その過程で、もしうまくいかなかったら成功できていない原因を「努力が足りないから」と考えてしまう人は多いのではないでしょうか。

量が足りない、時間が足りない、人脈が豊富ではない、あらゆることを失敗の要因として考えるかもしれませんが、まず「努力できるもの」は人それぞれです。

人には向き不向きがあります。

そして、成功できる人は量子論的には「ランダム」です。

つまり、

「あの人は○○をしたから成功した」ではなく、「たまたま○○をずっと続けられる人であった、そして、時代とマッチしてたまたま成功した。」

と考えます。

もちろん何もしなければ成果は出ないので「何かを始める」とか「何かを極める」とか「技術を高める」ということは大事です。

けど、それをして全員が成功できるかはわかりません。

半年で成功するかもしれないし、3年で成功するかもしれないし、成功しないかもしれません。それでも、やってみないとわかりません。

始めず、極めず、高めないと「成功するかもしれない確率」は下がります。だから「できる限りのことをやる」しかありません。

私が「運命は変えられる」と言うのはそこにあります。

何もしなかった時と何かした時では、「何か起きるかもしれない確率」を上げられるからです。

毎日スキンケアをした自分と、毎日スキンケアをしなかった自分では、やっぱりシミやシワの出方が変わりますよね。

運命は変えられない

しかし、現在の科学では「運命は変えられない」ことになっています。

「自分の意志では行動を変えられない」ということなんですけど、例えば、先程のスキンケアも「毎日やろう」と思ってもできない人がいます。

ダイエットもそうだし、運動、読書、副業、掃除、料理などあらゆることに対して「やりたい」と思っていてもなかなか行動できないものって誰にでも少なからずあると思います。

それは、意志の強さとかセルフコントロールとかの問題ではありません。

そうではなくて、「今の自分には必要ではないから」ってだけです。

私も「頑張らないと成功しない」という考え方だったので意志の強さとかセルフコントロールのせいにしていたんですがそうではなかったんです。

本当に本当に必要になった時、ちゃんと人は行動し始めます。

学校の授業ですでに習っている

学校の授業でもやりましたけど、体は脳神経からの信号で動きますよね?

「鉛筆を持て」とか「次は右足を出せ」とかいちいち考えて動いてはいません。それに、神経に損傷があれば、体を思うように動かせなくなります。認知症は覚えていたくても覚えていられません。

ですから、現在の科学では心と体は一体です。魂が何かを選ぶこともできないし意志で行動を制御することもできません。

ADHDとかHSPとか話題に上がることがありますけど自分の意志でそうなっているのではありません。

なので、「変えよう!」と思っても変えられるものではない訳です。

だから、”成功しないのならやりたくない”こと(好きでもないこと)はそもそもやる必要がないのです。必要がないのだから、ほとんどの人はできません。

そして、自分の力不足だと自分を責めることになります。

ただ、様々なことを知る、学ぶ、ということは行動を起こすキッカケにもなるので、大事だと思っています。

知っているのと知らないのとでは大きな違いがあると思うから。

脳科学者の茂木健一郎さんも「占いは行動を起こすキッカケとして考えている」とおっしゃっています。

参考:行動のきっかけに「占い」を活用せよ!茂木健一郎×鏡リュウジ対談

(鏡先生は30年以上雑誌やテレビで活躍している占星術研究家です)

まとめ

今回、占いや成功について学問や宗教、科学の点から私なりに整理して書いてみました。

様々な知識や情報が溢れている現在では何を選択していいのかわからなくなることもあるでしょう。

知識や情報に振り回されたり正解を求めるのでなはく、あなたにとっての幸せを求めて欲しいと私は願っています。

あなたにとっての幸せは何ですか?

何かのキッカケにこのシリーズが役に立てれば幸いです。

終わり

参考図書

池上彰の世界の宗教が面白いほどわかる本

教養として学んでおきたい5大宗教